改めまして。兄の結婚が決まりました。兄は今年で31歳になります。
私は母親に「あんたはお兄ちゃんのために生まれてきたんだよ。」って言われたことがあります。
一人で寂しく遊んでいる兄を不憫に思ったのか、兄が生まれた4年後に、ワタクシ福島花乃はこの世に誕生しました。
小さい頃のどの写真を見ても、兄にべったりくっついている私。
おっかけっこして、叩き合って、私が泣くまで終わらないケンカ。
忘れた頃には、またちょっかい出し合って、怒られるまでエンドレスリピート。
女の子だから、妹だからという理由で、過保護なほどに甘やかされた私と違って厳しく育てられた兄は
いつも私の見方をする母に向かって「花乃ばっかりずるい!」と言っていました。
でも、小学校の時は公園で男の子とケンカしてたら、兄が助けにきてくれた。
夜中に「お化けが怖い」と言ったら、ぬいぐるみをくれた。
ケンカもいっぱいしたけど、私がすることなすこと、兄は全部褒めてくれた。
そんな兄が大好きでした。
思春期になると、兄は力も強くなっていって、言葉も鋭利になっていきました。
ケンカも派手になって、相手を思いやる気持ちはこの時が一番少なかった。
お互いに傷つけあって、「あんなひどいヤツ、いなくなればいいのに。」と思ったこともあります。
力じゃ勝てなくなった私は、ある日、兄の大好きなテレビゲーム「信長の野望」の天下統一寸前のデータを消してやった。
兄は怒りを通り越して、なんだか魂が抜けていた。
私は父に怒られた記憶はほとんどないけど、この頃は、私が悪いことしたら母親&兄に怒られた。
でも、兄の方がもっとずっと悪いことしてたのを私は知っている。
実家を離れて東京に就職した兄は、それからすごくやさしくなりました。家族を大切にするようになりました。
追いかけるように上京した私に、月に1度は「ちゃんと飯食ってるか?」って連絡をくれて、ご飯に連れてってくれた。
まだ乗り換えが不慣れで、終電を逃してしまい、聞いたこともない駅で1人途方にくれた時、電話で「タクシー代やるからちゃんと家に帰れ」って1万円以上したけど、払ってくれた。
ホームシックになったり、辛いことがあった時、近くに行った時も、よく兄の狭い家に泊まりにいった。
仕事のアドバイスをしてくれたり、悩みを聞いてくれたり、笑い話も、昔の思い出話も、たくさんした。
数年前のクリスマスイブに私が彼氏とケンカしたに、「泊めてくれ」って言ったら、
「彼女がいるから今日はさすがに無理だよ」って初めて断られた。
でも、心配だからと言って、皮肉にも、カップルで溢れ返ったホカホカの品川プリンスの部屋を取ってくれた。
大震災の時も、一番に連絡をくれたのは、兄だった。
周りからは、本当に仲が良いんだねってよく言われた。
この年になるまで、私だけのお兄ちゃんでした。少なくとも、私はそう思ってました。
ブラコンな妹からすれば、彼女を紹介された時は最初「何、この女(怒)」って、
素直に喜ぶことができなかった。(ほんとうにすいません)
結婚の報告を受けた日も、都内の居酒屋で2人で飲んでいました。
式場を、縁もゆかりもないハワイにしたのは、両親への親孝行がてらなんだとか。
結婚についても、ずっと悩んでた兄だけど、
なぜか私の話になって、「お前はほんとうに心配ばっかりかける」って言って
いつもより酒が進む兄は「お前の結婚式には、ブラジルでも月でも絶対行くよ」って、涙ぐんで遠くを見た。
まだそんな予定もないが、私も涙を必死に堪えた。
最初は素直に喜べなかったけど、今まで私を守ってくれて、
私の一番の理解者である兄が幸せになるのなら、こんな嬉しいことはないです。
兄の幸せを心から願って。
あに、結婚おめでとう!!
結婚式はきっと、フライングして泣きます。
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